日本農薬RCR2017
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●原料・製品の安全管理3) 安全データシート(SDS)の整備とグローバル化 農薬をはじめとする当社の化学品を安全に取扱い、労働災害等の事故を未然に防ぐことを目的に、約700品目の安全データシートを作成し社内外に提供しています。また、全ての原料、商品についてSDSを入手して電子文書化し、社内LANにより総合研究所、ニチノーサービス等の必要部署が都度閲覧し活用できるようにしています。 当社が開発した製品については、最新のJIS規格に基づくSDSへの改訂が2016年末に完了しました。海外でもEU、韓国、中国や米国等で化学物質の規制法令にGHSが導入されており、各国の規制への対応を進めています。グループ会社のNichino Europe Co., Ltd.と連携してEU向けSDSを最新のCLP規則*に準じたREACH対応のSDSへの改訂を進めるなど、グローバル化に対応しています。* Regulation on Classification, Labelling and Packaging of substances and mixtures:EUにおける化学品の分類、表示、包装について定めた規則。GHSに基づく分類方法が導入され、2010年12月1日から段階的に適用されている。欧州域内で流通する化学物質等の製品ラベル・SDS等はCLP規則に合わせる必要がある。4) 農薬・化学品の品質管理 研究開発から製造、販売、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至る各段階において、製品の品質と安全性の確保に万全を期しています。製品の品質に関しては、品質管理部会を中心に詳細な検討を行う他、生産場面ではニチノーサービスがISO9001の認証を取得し、製品の品質の維持と向上に努めています。 製造物責任(PL*)についてはリスクの管理を行い、PL問題の未然防止を図っています。また、製品に関して頂いたクレーム等に対しては、対応状況を社内で見える化し、迅速かつ適切な対応に努めています。数年前の45~65件より大幅に減少していますが本年度の製品のクレームは27件で前年度より1件増えました。*Product Liability5) 医薬品GMP管理について 当社が供給している医薬品原薬の製造に関して、独立行政法人医薬品医療機器総合機構によるGMP(製造管理および品質管理の基準)適合性調査が行われ、GMP管理上の不備が指摘されました。早期の改善に向けて全力を注ぎました結果、現在では指摘された不備を改善いたしました。今後も再発防止に努めてまいります。6) 中毒・環境事故対応 製品による中毒事故対応のためSDS等を公益財団法人日本中毒情報センター(以下、中毒センター)に提供し、万一の中毒事故の際に、医療機関等からの中毒センターへの問い合わせに役立つようにしています。本年度は、中毒センターへの問い合わせは15件でした。他に、危険性情報等の問い合わせが当社へも5件あり、各種の情報提供を迅速に行うとともに、これらの情報を製品の安全性向上に役立てています。 なお、本年度も環境事故、及び消費生活用製品安全法による報告等が必要な中毒事故はありませんでした。GHSとは Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicalsの略で、国際連合が2003年7月に勧告したもので、概略は以下のとおりです。1. 化学物質及びその混合物の危険・有害性を、世界的に共通な方法・定義で分類する。2. 危険・有害性について、絵表示や注意喚起語等を統一して、製品ラベルやSDSに表示する。3. これらの分類・表示の世界的な統一により、化学品の危険・有害性をわかり易いものにする。公益財団法人 日本中毒情報センター■中毒110番■電話:大 阪 072-727-2499365日24時間対応   つくば 029-852-9999365日9時~21時対応(一般市民からの相談は無料。但し、通話料金は相談者負担。)化学品・製品安全RESPONSIBLE CARE REPORT 201722

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