有機農産物と農薬

有機農産物の生産方法等につきましては「有機農産物の日本農林規格」に定められています。いわゆる「有機JAS」です。この規格で規定された生産方法に従って生産されたものだけが下記のような「有機農産物」を名乗ることが出来ます。

◆有機農産物の名称の表示例

「有機農産物」
「有機栽培農産物」
「有機農産物○○」
「有機栽培農産物○○」
「有機○○」「オーガニック○○」
※○○は該当農産物の一般な名称

 この生産方法では、使用禁止資材として、「肥料及び土壌改良資材、農薬並びに土壌、植物又はきのこ類に施されるその他資材」としていますが、この対象からは除かれているものが有ります。本稿では表記していませんが、それは肥料関連の別表1の資材、農薬の別表2に該当する剤がそれに当たります。

有機農産物を生産する場合、病害虫や雑草が発生した場合はどうするのでしょうか?

生産方法の基準として「ほ場又は栽培場における有害動植物の防除」という欄が有ります。ここには「耕種的防除、物理的防除、生物的防除、又はこれらを適切に組み合わせた方法のみにより有害動植物の防除を行うこと。ただし、農産物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合であって、上記方法のみによってはほ場における有害動植物を効果的に防除することができない場合にあっては、別表2の農薬に限り使用することができる。」と記載されています。
つまり、「農薬以外の防除方法により病害虫雑草等の防除をしなくてはならないが、それだけでは作物に重大な被害が出てしまうなら『別表2』に記載している農薬を使用しても良い」ということになります。

 別表2の農薬は、天敵など生物農薬や天然物又は天然物由来のものから構成されています。 日本農薬で取り扱っているこの別表2に該当する農薬を下記にまとめました。

【有機農産物生産方法適合資材(農薬) 2022年12月現在】
別表2の農薬 日本農薬の扱い農薬
マシン油乳剤 スプレーオイル
燐酸第二鉄粒剤 スラゴ
水和硫黄剤 イオウフロアブル
銅水和剤 Zボルドー
フジドーLフロアブル
銅粉剤 Zボルドー粉剤DL
天敵等生物農薬 ボトキラー水和剤
スピノサド粒剤 ゼロカウント粒剤
スピノサド水和剤 スピノエース顆粒水和剤
スピノエースフロアブル

・使用に際しては登録農薬を登録内容に従って使用することが必要です。

これらの薬剤は、別表2に掲載されている農薬のごく一部です。その他別表2の農薬や規格そのものはこちら (農林水産省HP有機食品の検査認証制度 ページ)の「有機農産物のJAS規格」をご確認ください。

<当記事は2022年12月時点の登録情報や知見に基づいて作成されております>

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