日本農薬株式会社 「農業 × 人材 × 未来」 RECRUITING

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生物研究(探索)「仮説、実証を繰り返す先にある「生物評価」の醍醐味」
A.0.

総合研究所
(現:経営企画本部 経営企画部
経営企画グループ)病理グループ
2009年入社
応用生命工学専攻修了

将来待ち受ける食糧不足など、世界が抱える食にまつわる問題に何かしら貢献したい。その強い使命感から、農作物の安定供給に欠かせない農薬分野に興味を持ち、就職先として日本農薬を選ぶ。

金の卵を見つけ、育てる

生物ユニットには、殺菌剤を扱う病理グループと殺虫剤を扱う昆虫グループ、除草剤と植物成長調整剤(※1)の研究をしている植物グループがあります。さらに、それぞれのグループ内は探索と開発に分かれており、私は、病理グループにおいて前者を担当しています。

探索の役割には大きく二つあります。その一つが、合成ユニットが合成した化合物が農薬としての効能を持っているかどうか調べることです。私の場合は、農作物に害を及ぼす菌に対して、求めている活性を示すかどうかを生物評価によって判断します。例えば、感染前の作物に散布して病気から防ぐことができるのか評価したり、実際に菌を感染させた作物に化合物を散布することで治療性を試験したりしています。

もう一つが、生物評価の結果をレポートにまとめ、合成ユニットへフィードバックすることです。その内容は、単なる試験結果の報告書ではなく、作物や菌の特性を踏まえた上で、さらに活性を高めるには、現状の化合物にどのような工夫を加えるべきかを提言します。合成ユニットとの間で、このやりとりを繰り返しながら、農薬原体の卵を見つけ、育てるのが、探索担当者の使命です。 ※1 植物成長調整剤…植物の育成を調節して、収穫量や品質、作業効率を高める剤。

作物か、菌か

“生物評価”と単語にすれば、わずか4文字ですが、実際の試験は、非常に奥深いものがあります。例えば、ある化合物を試験した結果、活性が認められたとしても、それが化合物の効能なのか、単に菌の繁殖力が弱かったのか、作物がもともと備えている耐性によるものなのかといったことを判断できなければ、正確な評価はくだせません。しかし、菌の繁殖力や作物の耐性は、いつも一定ではなく、そのときの状態によって変化します。菌によっては、作物が元気であるほど発病しやすいケースまであります。作物の病気のメカニズムは、植物と病原菌との緻密な相互作用の結果引き起こされる、非常に繊細な現象なのです。

しかも、ここに挙げたのは、ほんの一例でしかなく、試験を行うときに考えるべき変動要因は、他にも数多く存在します。この複雑なパズルを解き明かすために、仮説、実証を繰り返していくことに、面白味を感じています。

遺伝子にまで踏み込んで

植物は自ら移動することで、病気や害虫から逃れることができません。そのため、体内で農薬のようなものを自らつくるなど、防御機構をいろいろと備えていて、差し迫った危険に応じて、それらの能力を適宜組み合わせることで病害虫から身を守っています。私は、大学院博士課程で、その仕組みを遺伝子レベルで解析する研究に携わりました。

しかし、医薬業界におけるゲノム創薬(※2)への注力度合いに比べると、農創薬では、遺伝子レベルにまで深く踏み込んだ研究は、それほど進んでいないように思います。ただ、私は、ここにチャンスがあると感じています。例えば、農薬を繰り返し使用していると、害虫や菌に耐性ができて、新たな農薬を開発しなければならないケースがあります。ところが、ゲノム情報をもとに、農薬の作用や、耐性がつく原因をよりよく理解することで、最初から耐性のつきにくい農薬をつくるも可能なはずです。これが実現すれば、今以上に農作物を育てやすくなり、食糧問題解決に一助になるかもしれません。いち研究者として、このくらい壮大なミッションに挑戦したいと思っています。 ※2 ゲノム創薬…人間の全遺伝子(ヒトゲノム)情報をもとに、病気の原因を絞り込み、効能を発揮する化合物を開発すること。低コスト、低副作用、高効率の創薬が可能となることから、医薬分野において研究が進んでいる。

ドクターを取得したときの記念に大学前で撮影。
隣(右側)にいるのは、博士課程の同期です。

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