NICHINO 日本農薬株式会社

文字サイズ

明日の農業を考える明日の農業を考える

第3回「銅の力で農業を支える~Zボルドー発売50周年~」

当社の銅殺菌剤「Zボルドー」

殺菌剤にも様々な種類がありますが金属の銅が殺菌剤として農業現場で活用されているのをご存知でしょうか?今回は発売50周年を迎える当社の銅殺菌剤「Zボルドー」についてご紹介します。
銅が殺菌剤として使用された歴史は古く、約130年前にフランスのボルドー地方で硫酸銅と生石灰の混合物に殺菌作用があることが発見され、ぶどうに使用されるようになったのが銅の農薬としての始まりです。
Zボルドーのような無機銅剤の有効成分の銅は自然界に広く存在し、植物に対しても不可欠な要素です。銅はその高い安全性から、厚生労働省の定める残留農薬等のポジティブリスト制度において、「食品に残留した場合であっても、その食品を摂取することによって人の健康を損なうおそれがないことが明らかなもの」として、対象外物質に指定されています。同様の理由により銅水和剤*1は日本農林規格(JAS)の有機栽培においても使用できます。

第3回「銅の力で農業を支える~Zボルドー発売50周年~」-画像

銅の殺菌剤としての性能は長年高い評価を得ており、農作物に発生するカビ(糸状菌)によって起こる多くの病害から、バクテリア(細菌)によって起こる細菌性病害まで、幅広い病害に対し優れた予防効果を発揮します。特に、細菌性病害には有効な薬剤が少ないことから、銅殺菌剤は農業生産に欠かすことができない薬剤の一つです。そして銅殺菌剤は耐性菌発達リスクが低く、他の薬剤で耐性菌が発生した病害にも有効です。*2 このように銅殺菌剤には多くの化学合成殺菌剤とは異なる多くの特長によって長い間果樹、野菜など様々な農作物を病害から守ってきました。新しい薬剤ばかりに頼らず、銅殺菌剤のように昔から使用されている経済的な薬剤を上手に使用することにより病害防除とともに生産コストを下げ、農業の収益性を向上させていくことも「明日の農業」につながるのではないでしょうか。

  • *1 銅水和剤:農薬の種類名の一つでZボルドーはこれに含まれます。(当記事は2013年3月時点の登録内容を基に作成しております。)
  • *2 メリットがあればデメリットもあります。特に無機銅剤は登録作物でも使用時期によっては薬害が生じるリスクがありますので、ラベルに記載されている注意事項をご確認の上使用してください。
PAGETOP