NICHINO 日本農薬株式会社

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第2回「農業は楽しい」

農事組合法人 堀内営農クラブ1

富山県射水市の「農事組合法人 堀内営農クラブ」は、水稲、大麦、枝豆などに加え、6年前から桃の栽培を始めました。富山は稲作が盛んな地域であり、桃の産地というわけではありません。「地元でおいしい桃を食べられるように」という想いが、営農クラブで桃の栽培を始めるきっかけでした。「園芸作物の自給率を上げる」という国の方針と合致したこともあり、営農クラブの桃栽培は、2009年には「とやまの園芸ブランド産地強化事業」に指定されました。

「みさか白鳳」をいただきました。甘くてみずみずしい桃でした。

現在、桃の栽培面積は130本60アールです。毎年7月中旬から9月初旬にかけて13種類の桃を栽培します。収穫4年目の今年の収穫は、特に期待できそうです。収穫1年目の滑り出しは順調だったものの、その後は桃の糖度が上がりすぎたり、病気が蔓延したりと苦労が続きました。「これからも色々な課題が出てくると思うけれど、それらを1つずつクリアして10~20年後にはそれなりにやっていけるはず」と、理事の林秀明(はやしひであき)さんは前向きに力強く話してくださいました。
この地域ではもともと個人で稲作などをしていた兼業農家が多く、それぞれが自分たちで農機具を持ち、農業をしていました。お米の値段が高かった頃はそれでも良かったのですが、お米の値段が下がるにつれて「効率化のために共同で農作業をしよう」という機運が高まり、堀内営農クラブの設立に至りました。今では地域の17戸が一緒に農業を行なっています。

お話を伺った(右から)代表理事:柳沢昭雄さん、理事:林秀明さん、監事:藤田武宣さん、会員:藤田洋道さん

今後は「直売所に買いに来てくださる一人ひとりのお客様を大切にしながら、営農クラブの活動範囲を拡げていきたい」そうです。例えば、桃の栽培面積を100アールに拡大する、りんごなど他の果樹の栽培を始める、あるいは桃ジャムや桃シャーベットなどの加工品をつくるなど、様々検討しています。
 「後継者」について尋ねると、代表理事の柳沢昭雄(やなぎさわあきお)さんはおっしゃいました。「営農クラブの経営安定化が第一。そうすれば後継者は必ずできる。農業は楽しい。つくる楽しみがあり、つくったものを売っておいしいと言われれば、また嬉しい」。堀内営農クラブの5年後、10年後が楽しみです。

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