第11回「農業をしながら輝き続けたい~廃棄野菜ゼロを目指して~(株式会社Stay gold てらだファーム 寺田晴美さん)」
株式会社Stay gold てらだファームは、富山県下新川郡入善町で、31haの米の栽培に加え、約50種類もの野菜を栽培・加工・販売する農業法人です。同社代表取締役の寺田晴美さんは、今年「農業の未来をつくる女性活躍経営体100選(WAP100)」にも選出された女性農業経営者です。社名には「汚くて格好悪くて大変そうという農業のイメージを変えたい、農業をしながら輝き続けたい」という寺田さんの強い想いが込められています。
日本農薬は2017年11月から農林水産省の農業女子プロジェクト*に参画しています。寺田さんにそのキックオフミーティングにご応募、ご参加いただいたことをきっかけに、今回、先進的な女性農業経営者としてのお考えを伺いました。
*「農業女子プロジェクト」は農林水産省が推進する女性農業者の活躍を発信するプロジェクトです。
女性農業者が日々の生活や仕事、自然とのかかわりの中で培った知恵を企業の技術・ノウハウと結びつけ、新しい製品・サービスを生み出し、それを広く社会に発信していくという取り組みです。
日本農薬は2017年11月から農林水産省の農業女子プロジェクト*に参画しています。寺田さんにそのキックオフミーティングにご応募、ご参加いただいたことをきっかけに、今回、先進的な女性農業経営者としてのお考えを伺いました。
*「農業女子プロジェクト」は農林水産省が推進する女性農業者の活躍を発信するプロジェクトです。
女性農業者が日々の生活や仕事、自然とのかかわりの中で培った知恵を企業の技術・ノウハウと結びつけ、新しい製品・サービスを生み出し、それを広く社会に発信していくという取り組みです。
栽培作物について教えてください

やはり女性なので見た目が可愛いものがワクワクするんです。少し珍しい品種を選んで栽培しています。野菜は米に比べて栽培に手間がかかりますが、成果が目に見えるのでやりがいがあります。
加工品にも力を入れていらっしゃると聞いています
「廃棄野菜ゼロ」というテーマで取り組んでいます。プロが栽培しても市場で売れないB品が出てきます。B品にまで手をかけられないので「捨てるのは当たり前」と、農家はある意味で麻痺している部分があると思うんです。例えば当社のヒット商品の一つに「里芋コロッケ」があります。里芋を栽培する中で、売れるのは親芋の周りにできる小芋だけです。「親芋を畑に捨てるなんてもったいない。小芋に比べて味は落ちるけれど栄養もあるのに。なんとかしたい」という想いから誕生したのが里芋コロッケです。実は里芋コロッケは、小芋だけで作ると軟らかすぎてうまくできません。一般的に里芋コロッケにはジャガイモを足して作ることが多いのですが、当社のものは親芋を入れることで里芋100%を実現できました。 大変好評で、今では年間2万5千個売れています。手が足りないので、近所の仲のいい農家仲間に声をかけて、里芋コロッケを作る「百笑一喜(ひゃくしょういっき)」というグループを作りました。農作業ができない11月から3月までの4~5ヶ月間を利用してまとめて1年分作り、業務用冷凍庫で保存します。 今後、他の野菜でもどんどん加工品を作っていきたいと思っています。栽培の中で農薬は使っていますか
農業を始めた頃は「農薬はあまり使わないほうがいいのでは」と考えていました。でも実際に農業をやってみると、無農薬というと聞こえがいいけれど、無農薬ではプロの農業者としてちゃんとした綺麗な農作物はできないことがわかりました。自分も一般消費者の立場としては、虫に食われたものは料理したくありません。農薬の使用を極力抑えられたらそれに越したことはありませんが、「適材適所」で使っています。そのため最近では「農薬は悪ではない」と感じて始めていましたが、先日参加した「明日の農業女子を考える日農」プロジェクトのキックオフミーティングやセミナーを通して、改めて納得できました。以来、農薬はルールを守って使えば安全だという話を周りにもしています。
農薬について理解してくださり、ありがとうございます。当社を始めとした農薬メーカーに対して何か要望があれば教えてください

一般消費者にはなぜか農薬はダメなものというイメージがあります。ただ、知れば全然違いますよね。私もかつては一般消費者でしたが今は農業者なので、少しずつでも農薬は安全だと発信していきたいと考えています。農業者自身がわかっていない場合が多いので、例えば生産者の勉強会などの際に農薬についてのセミナーをやっていただくのが効果的だと思います。
当社を含め、農薬業界全体として農薬工業会や公益社団法人緑の安全推進協会を通じて、農薬について正しく伝える活動を地道に続けていきたいと思います。ありがとうございました
