NICHINO 日本農薬株式会社

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第4回「ビジネスとして農業を成功させることが、後継者を育てる」

染野進さん(有限会社染野青果 代表取締役)

染野進さん(有限会社染野青果 代表取締役)は、茨城県の八千代町とつくば市にある約20haの畑で、白菜やキャベツなどの葉物野菜を中心に栽培しています。
収穫した白菜やキャベツの取引先は漬物屋が多く、染野さんは「自分の方向性・カラーとして、漬物屋に照準を合わせている。生産と販売の両輪が回って初めてうまくいくので、農家にとっても営業は大切」と話します。10年以上前から取引先に足を運び、つながりをつくってきました。「野菜の市場価格が高く相手にとって厳しい時、自分が損しても相手の得になることを考えた。まずは相手を最初に助け、自分の利益はその後」。企業にも通じる大事な考え方を教えていただきました。

染野さんによると、最近では農家の農業に対する考え方は「先祖代々の土地を守っていくもの」というよりむしろ「ビジネス」へと変わりつつあるようです。例えば、八千代町はかつてメロンの産地でしたが、染野さんを含めた多くの農家は約20年前にメロンの栽培を辞め、葉物野菜に特化することにしました。この「選択と集中」により、利益性は向上しました。
農業がビジネスとして成り立っているからこそ、この地域ではどこの農家でも後継者が育っています。染野さんの32歳の息子さんも5、6年前から後を継いでいます。「若い人が継げば産地としての足腰が強くなるので、嬉しい。後継者が育つことで未来が開ける」と笑顔で話す染野さん。ビジネスとして農業を成功させることが、後継者を育て、日本農業の未来を明るくする一つのきっかけになることがわかりました。

染野さん

染野さんは、葉物野菜の軟腐病やべと病などの予防として当社のZボルドーを愛用してくださっています。「Zボルドーは効果もさるとこながら、懐にやさしい。栽培面積が多いので、新しい剤だけでなく(Zボルドーのように)昔ながらの剤を使い、平均してコストダウンを図っている」そうです。また、「登録作物が多く、防除効果の高いフェニックスも、葉物農家にとって必需品」という嬉しい声をいただきました。

加工トマトなどの栽培

染野さんは、葉物野菜の栽培ができない夏の3ヶ月は、とうもろこし、ねぎ、加工トマトなどの栽培をしています。特に加工トマトの栽培では、白菜を収穫した後に、白菜の植わっていた穴を生かしてそのままトマトの苗を植えるという、染野さん独自の栽培方法を編み出しました。八千代町では、加工トマトの栽培面積が大きく伸びてきていますが、今ではこの栽培方法が全体の70%になっているそうです。

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