NICHINO 日本農薬株式会社

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第6回「新たな価値で良質米生産に貢献するフジワン ~フジワン発売40周年~」

 当社が1975年に水稲「いもち病」防除剤としてフジワンを発売し、今年(2015年)で40年になります。フジワンをこの長きに亘ってご愛顧頂いた農家、流通、指導機関の皆様に心より感謝申し上げます。
フジワンが40年間ご愛顧頂いているその背景には、フジワンの水稲「いもち病」防除剤としての安定した効果はもちろんですが、昨今の気象の変化(稲登熟期の異常高温)による稲作での新たな問題(白未熟粒増加)や良質米を求める消費者ニーズの増加に対して、PGR作用(植物成長調整作用)を活かした登録を取得し、新たな価値をご提供できたことによるものと考えます。

 フジワンの新たな価値の普及のため、当社は、昨年(2014年)12月16日 農林水産省主催で愛知県ウインクあいちに於いて開催された「担い手農家の経営革新に資する稲作技術カタログに係るワークショップ」に参加しました。

第6回「新たな価値で良質米生産に貢献するフジワン ~フジワン発売40周年~」1

 その中で、フジワン粒剤の「高温登熟下における白未熟粒の発生軽減」効果とそのメカニズムについて、来場された担い手農家の皆様に説明しました。来場された農家の皆様の中には、水稲「いもち病」防除薬剤としてご存じの方が多数いらっしゃいましたが、「高温登熟下における白未熟粒の発生軽減」効果及びその登録のことをご存じの方はまだ少数でした。

第6回「新たな価値で良質米生産に貢献するフジワン ~フジワン発売40周年~」2

 近年、東海地区においても白未熟粒の増加が問題となっており、フジワン粒剤に「高温登熟下における白未熟粒の発生軽減」の登録があることに高い関心を持って頂きました。写真パネル等を使った説明により、フジワン粒剤の白未熟粒軽減のメカニズムについてご納得頂けたのではと考えます。

フジワンが水稲の「登熟歩合向上」効果および「高温登熟下における白未熟粒の発生軽減」効果に寄与する主な作用

フジワン
  1. 根の活力の維持
    フジワン本田処理により根の活力が高く維持され、完熟期まで根の養分吸収が高いレベルで機能するものと推察されます。
  2. 茎葉部の機能強化と穂・籾への澱粉蓄積
    フジワンを処理した圃場のイネは光合成産物の葉身→葉鞘→穂への転流を促進することが明らかにされています。また、登熟期に至るまで葉の退色が少なく、長く光合成を続けることができます。これらの作用によって弱勢穂も含めて登熟歩合の向上に繋がります。
  3. 米粒張りの向上
    フジワン処理により炭水化物の穂への転流が促進され、粒張りも良くなることが実証されています。
  4. 白未熟粒の発生軽減効果
    登熟期に高温等の不良環境条件にあたった場合、玄米中へのデンプンの蓄積が阻害され、デンプン粒とデンプン粒の間にできた空隙で光が乱反射して、白く濁って見える白未熟粒が発生することがあります。白未熟粒は食味低下、等級・価格低下の要因ともなります。フジワン粒剤を処理することにより光合成産物の穂への転流が促進され、白未熟粒の発生が軽減されると考えられます。
  5. 穂層の温度低下
    フジワン粒剤処理により根張りが良くなると、水の吸い上げが良くなり、蒸散が盛んになります。その結果、気化熱の作用により穂層の温度が低下します。このことも高温下での白未熟粒発生軽減に寄与していると考えられます。

 当社は、今後とも良質米生産並びに「明日の農業」に貢献できるよう、フジワンが持つその価値の提供に尽力していきます。引き続きフジワンの普及販売に対し、皆様の変わらぬご支援を宜しくお願い申し上げます。

主なフジワン製品 ※登録内容は製品によって異なります。

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