創る仕事

研究開発系
様々な専門性を持つ
研究員が集い、
日々切磋琢磨することで
新たな製品を生み出します。

合成研究

  • 新卒の配属可能性がある専攻
  • 化学
    (合成化学/天然物化学/計算化学)

ミッション
新規農薬原体の開発のため、有機合成を担い、0から1を生み出すのが合成グループのミッションです。創薬の⾧いレンジの中で、新規化合物が農薬として製品化される確率は十数万分の1と言われており、開発のハードルは年々上がっています。そのような中で有望な化合物を創出するため、あらゆる可能性を探ります。
業務内容
殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成⾧調整剤、医薬、動物薬などを主要研究テーマとし、新規化合物の設計、合成をします。有機化学、農薬化学といった基礎知識を身につけた上で、特許、文献、計算化学といった様々なシードソースを基に、研究員自身のアイデアを活かしながら化合物をデザインします。効率的に作業をするための自動合成装置や自動精製装置、また最新の機器を用いながら、新たな発見を目指します。
ほかの職種との連携
合成した化合物は、生物分野や安全性分野の研究員の手に託され、生物活性評価や安全性評価が行われます。評価結果のフィードバックや、各分野の研究員との議論をもとに、農薬としての性能・安全性を高めるため、さらに化合物をデザインしていきます。毎日が他部署との共同研究と言って過言ではありません。

プロセス・工業化研究

  • 新卒の配属可能性がある専攻
  • 化学
    (合成化学/天然物化学/計算化学)

  • 分析化学
    薬剤学
    製剤学

ミッション
農薬原体(特定の有機化合物)の工業的製造法を確立することが主要課題です。実験室では合成できた新規化合物も、工業スケールで製造できなければお客様にお届けすることができません。有機工業化学の知識と経験に基づき、未だない製造法を構築します。近年は動物薬の製造法検討を開始し、さらには、フローケミストリー、イオン液体、酵素反応など、新規分野への領域拡大も目指しています。
業務内容
ラボスケールでの化学合成実験に始まり、キログラムスケール、パイロットスケール(数十kg)とスケールアップしていき、最終的には数千リットルの反応槽を用いた工業製造をします。前期においては、合成ルートの確定と各反応および後処理条件の最適化によって、低コストの合成法を見出します。並行して、製造時の事故防止のための反応危険性評価も行います。後期には、スケールアップ実験と、工業製造に関する各種法対応を完遂し、「安全・安定・安価」な製造法を確立します。工業スケールでの反応をイメージし実現していく、企業ならではの研究分野と言えます。
ほかの職種との連携
農薬原体の製法検討においては、小スケールで合成している合成グループから都度情報を収集します。また、原体の品質により製剤レシピ(成分組成)が左右されるため、製剤グループには開発段階から多様な品質の原体を提供します。原体の登録分析法を確立する分析グループに対しては、その支援として原体サンプルや不純物サンプルを提供します。原体製造を推進する技術部技術グループは、製造委託先とのやりとりや原料調達先の開拓を担っており、技術グループからの依頼によって、新規原料の評価などを実施することもあります。

製剤研究

  • 新卒の配属可能性がある専攻
  • 化学
    (合成化学/
    天然物化学/
    計算化学)

  • 分析化学
    薬剤学
    製剤学

ミッション
有効成分である農薬原体を製品に加工することを「製剤化」と言います。微量の有効成分も、例えば原体が水中で均一に分散する仕組みを考え、設計仕様書にまとめていくことで、広大な農作地に行き渡らせることができるようになります。製剤研究を行い、お客様が手にする製品を設計するのが製剤グループのミッションです。製剤研究においては、農薬使用者の散布時の作業性を改善する、また安全性を高めることも重要です。近年では、スマート農業における新たな農薬散布方法に適した製剤化にもチャレンジしています。
業務内容
農薬には、水和剤、フロアブル剤、粒剤など、様々な剤型があります。農薬原体の効果を最大限に発揮できる使いやすい製品にするためには、どのような剤型や原材料が最適なのかを検討していきます。さらに小規模スケールで製造実験を行い、製品性能や安全性などの検証を行ったうえで、最終的に量産化に結びつけていきます。
ほかの職種との連携
処方検討の段階では、開発グループや技術普及グループと協働し、求められる製品のコンセプトや性能のすり合わせを行います。生物分野の研究員とは製剤の効果試験で連携し、製剤の安全性評価においては安全性・薬理グループと連携します。また製品化の段階では、登録グループと協働して登録申請書類の作成、生産部門(技術グループやSCM部、品質統括グループ等)やグループ会社のニチノーサービスと連携して工業化に向けた検討を行います。

生物研究 探索・開発

  • 新卒の配属可能性がある専攻
  • 生命科学
    生物化学
    薬理学

  • 応用生物学
    (植物/昆虫/微生物)

ミッション
化合物の病害虫や雑草に対するあらゆる活性を評価し、農薬としての可能性を発見することが、生物研究における大きなミッションです。組織としては昆虫・病理・植物の3グループに分かれており、それぞれ殺虫剤・殺菌剤・除草剤の探索研究と開発研究を中心に担っています。探索研究では、合成グループが作成した新規化合物の生理活性研究、スクリーニング評価を行い、有望化合物を選抜していきます。開発研究では、活性が高い有望化合物を探索から引き継ぎ、実用化(上市)に向けた研究を進めます。また既存剤の適用拡大にも取り組み、農薬としての可能性を検討・追究していきます。
業務内容
探索研究では、合成グループが合成した新規化合物の評価を行います。実験室内活性評価に始まり、活性が確認された場合は温室内や野外ポット、圃場と試験スケールを広げていきます。小さな生理活性をも見逃さない観察眼と洞察力を活かし、毎週何百もの化合物を処理・評価します。開発研究では、選抜された化合物を商品に仕上げるため、所内や各地の圃場での散布試験などを行い、効果的な使用方法の考案、適用拡大の検討などを行います。また、国内外の普及支援として、新規病害虫や抵抗性対策といった現場で発生した課題への対応や、新規処理法の提案なども行います。
ほかの職種との連携
「評価⇔フィードバック」のサイクルを他部署と繰り返すことにより、性能の高い農薬の創出を目指します。そのため多くの部署や研究員と連携します。例えば合成グループとは、探索研究で評価した結果をもとに、化合物の活性を引き出すための構造展開を共に考えていきます。代謝・環境グループには、生物性能情報を提供し、試験結果のフィードバックをもらうことで、開発に必要なデータの取得を行います。さらに製剤グループ、マーケティング部、開発部、営業、技術普及などと連携し、既製品や自社化合物の価値向上に向けた検討を行います。

安全性研究 毒性・薬理

  • 新卒の配属可能性がある専攻
  • 入社後、経験を積んだ後に、異動の可能性がある専攻
  • 生命科学
    生物化学
    薬理学

  • 獣医学
    畜産学
    生物学(動物)

  • 応用生物学
    (植物/昆虫/微生物)

  • 分析化学
    薬剤学
    製剤学

ミッション
農薬候補化合物の消費者、使用者や環境に対する安全性を保障するためのリスク評価を行う安全性研究のうち、毒性・薬理研究を担う安全性・薬理グループでは、哺乳類毒性やその発現メカニズムの解明を行います。どのような毒性が示されるか未知の新規化合物を相手に、少しの影響も見落さないよう緊張感をもって試験にあたります。また、農薬研究の過程で生まれた化合物について、例えば抗真菌薬をはじめとした医薬や、イヌ用ノミ・ダニ防除剤などの動物薬としての可能性を見出す探索研究にも取り組んでいます。
業務内容
農薬のヒトに対する影響を調べるため、安全性試験の設計・実施、結果の判断、解釈を行います。その化合物を経口投与するとどうなるか(急性経口毒性試験)、毎日少しずつ摂取するとどうなるか(反復経口毒性試験)、遺伝情報への影響はあるか(変異原性試験)など、数多くの項目についてin vitro、in vivo、in silicoでの実験・評価を行います。そのため、実験動物の取り扱いや、細胞の培養、病理組織検査や形態観察、血液や尿の臨床検査技術など、幅広い知識・技術が求められ、日々の研究の中で身に着けていく必要があります。
ほかの職種との連携
農薬の探索研究の段階では、合成・生物・安全性に関わる各グループと連携し、農薬候補化合物の安全性評価の実施や結果のフィードバックを行います。どのような毒性懸念があるか、そしてその改善方法について議論を重ねます。また開発段階では、登録部と連携し、農薬登録に必要な毒性試験成績を取得していきます。代謝物や不純物の毒性試験が必要な際は、代謝グループや分析グループと連携。また製剤化した際の安全性評価や各種副成分の毒性影響について、製剤グループとも連携します。

安全性研究 代謝・環境

  • 新卒の配属可能性がある専攻
  • 化学
    (合成化学/
    天然物化学/
    計算化学)

  • 分析化学
    薬剤学
    製剤学

  • 生命科学
    生物化学
    薬理学

  • 獣医学
    畜産学
    生物学(動物)

  • 応用生物学
    (植物/昆虫/微生物)

ミッション
農薬の動植物および環境中での挙動や生物への影響について研究し、その安全性を検証することが代謝・環境グループのミッションです。化合物の代謝、分解経路、環境動態、環境生物毒性の解明を行うことで、使用した農薬が動植物の体内や環境中でどのような行方をたどるのかを明らかにします。環境中で使用される農薬だからこそ必要な研究であり、その点で医薬研究とは異なると言えます。
業務内容
農薬散布後、植物の中で農薬はどのように代謝されるか(植物体内運命)、農作地や水中でどのように分解されるか(土壌中運命・水中運命)、収穫した作物に農薬はどれくらい残留しているか(作物残留試験)、また水産動植物・有用生物への影響、家畜代謝・残留など、様々な試験を行います。そのため、化学分析の知識が重要であり、動植物や土壌からの化合物抽出・分析、NMR等を用いた代謝物の構造決定、環境生物への影響評価、計算科学による分解性の予測など、様々な手法を用います。
ほかの職種との連携
候補化合物の代謝・分解性や水生生物毒性を評価し、合成・生物の各グループに結果をフィードバックしています。農薬の探索研究段階から関わり、化合物の代謝・動態面における課題を明確化・議論します。安全性・薬理グループとも密に連携し、お互いの技術を活かす形で協力しながら安全性試験を進めていきます。さらに、農薬の登録取得に向けた開発段階においては、関連機関との手続きの実務を担う登録グループとの連携が不可欠です。