マテリアリティ
取り組みの経緯
NICHINO グループは、農薬事業を中核として安全で安心な食料生産とその安定的な供給に深く関わってきました。
当社グループの事業特性は、人口爆発や気候変動とも関連する食料問題あるいは作物生産における環境配慮や自然環境との共存の観点から、多様な技術革新による持続的な経済成長と環境保全を同時に達成しようとするSDGsやサステナビリティの概念と強く関連していると言えます。
一方、2015年に「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」とその企業における行動指針である「SDGコンパス」が国連で採択され、全てのステークホルダーを視野に入れた社会貢献への取り組みが求められるようになりました。
このような社会情勢の変化を受け、当社グループでは前中期経営計画EGG2における経営課題として、体系的で実効的なCSR経営のあり方を特定しました。2024年度より開始した新中期経営計画GGSにおいては、社会全体と当社グループの持続可能性の両立の実現を目指して、これまでのCSR経営からサステナビリィ経営へとさらに進化させてまいります。
優先課題(マテリアリティ)の選定
前中期経営計画EGG2においてCSR経営の優先領域・課題として「7つの優先課題(マテリアリティ)」を選定しました(2021年5月)。これらは中期経営計画GGSにおいても当社グループの事業活動の展開における根源的で主要な課題であり、引き続いてマテリアリティとして取り組んでまいります。
マテリアリティの選定プロセスの概要は以下の通りです(下図、下表参照)。まず、CSR関連の案件や課題を網羅的に抽出し、CSRグローバル・ガイドラインISO26000の7つの中核主題に基づいて対照表を作成しました(Step 1)。そのうえで類似の項目をまとめ、経営面とステークホルダーにおける重要度から優先度を分析しました(Step 2)。この分析結果と当社グループの到達度の実態を反映した「7つの優先課題」をマテリアリティとして選定しました。その後、当時のCSR-WGおよびCSR会議での審議と取締役会における助言を経て、「7つの優先課題(マテリアリティ)」とそれに伴う「2030年のありたい姿」および「中期経営計画の主要課題とKGI/KPI」が策定されました(Step 3)。

中期経営計画GGSでは、7つの優先課題における本社各事業部門および国内外グループ各社の具体的な施策およびそれぞれの取り組み実績を検証し、「2030年のありたい姿」の見直しとともにGGS期間におけるKGI/KPIが新たに策定されています。
従業員への啓発活動
マテリアリティの選定および具体的な課題と目標の設定により、経営計画に基づく当社グループのCSR活動が可視化されるとともに、経営陣と従業員が一体となったサステナビリティ推進、ステークホルダーへの情報発信・共有が行われることになりました。サステナビリティ推進部では従業員に対するアンケートによって 取り組み方針の浸透状況や実態を把握する活動のほか、e-ラーニングによる研修やSDGsへの取り組みに関する国内外グループ企業への配信等を通じてサステナビリティ活動の継続的な啓発に取り組んでいます。
2023年度の主な活動実績
「7つのサステナビリティ優先課題」の主な施策に関する2023年度の達成状況を下表にまとめました。旧CSR推進室の活動方針に基づいて各主管部門との協働が進み、関連するワーキンググループ等による体系的な活動が推進されました。2024年度より開始した新中期経営計画においては、各種案件の達成状況に応じてより先進的なKGI/KPIを設定し、目標達成に向けて取り組んでまいります。
7つのサステナビリティ優先課題の2023年度の達成状況
7つのサステナビリティ優先課題と2024~2026年度の新中計の到達目標及び前中計の主要な取り組み課題の達成状況(2023年度)