NICHINO 日本農薬株式会社

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社会のニーズに対応した技術と製品開発サステナビリティ
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社会のニーズに対応した技術と製品開発

グローバルな研究開発

総合研究所

安全・安心で安定的な食の確保と豊かなくらし・環境を守るため、時代のニーズを捉えた新農薬の創出はNICHINO グループの大きな使命です。日本農薬は研究開発型企業として、事業環境や市場変化を的確に解析して戦略を構築するとともに、新規剤の早期開発や既存剤の適用分野拡大にグローバルな視点から取り組んできました。最先端の研究を実践する総合研究所や製造分野の技術開発を担う生産技術研究所の機能を充実させ、また国内外グループ会社とともにグローバルな市場ニーズに応える開発体制を強化することで、世界の食料生産に貢献する技術の創出に挑戦し続けています。特許等の知的財産によるライセンス活動も効果的に推進し、製品ポートフォリオの拡充や事業拡大も進めています。

新規農薬の創出

農薬の新規有効成分の創薬は、研究開発から製品として市場に出るまでに多くのプロセスを要し、10年以上という年月と多大な投資を必要とします。その中で当社は、3年に1剤のペースで新しい農薬の開発を続けています。これまでにチョウ目用殺虫剤フルベンジアミド(フェニックス®)、汎用性殺菌剤ピラジフルミド(パレード®)、光要求型除草剤ピラフルフェンエチル(エコパート®)などを世に送り出し、安全で安定的な食の確保に貢献してきました。昨今の合成分野におけるAI創薬技術や安全性・生物分野でのオミクス研究、計算科学分野への取り組みを拡充することにより、探索研究を加速しています。

環境調和型製品の開発

総合研究所の研究員

農薬は、病害虫・雑草への効果だけではなく、使用者や消費者に対する安全性はもちろん、自然環境への配慮も同時に求められています。当社グループでは、研究段階の早期から化学、生物、安全性および研究支援部門が連携し、「環境生物に対する影響軽減」「投下薬量・残留量の低減」など環境負荷の低い農薬製品を開発してきました。国内外の法令対応のみならずSDGs推進、サステナビリティ経営の観点からも、最新の科学的知見を活用して「環境・安全・健康」により一層配慮した農薬の開発を目指しています。直近では、ウンカ・ヨコバイ類の幼虫の脱皮を阻害するベンズピリモキサン(オーケストラ®)を日本、インドで上市しました。人や動物、水生生物への影響が少ないだけではなく、多くの天敵・有用昆虫への影響や作物に対する薬害リスクが低い点が特徴です。また最大市場であるインドで有効成分を製造する設備を新設し、消費国での現地製造の推進により輸送時のCO2排出などを削減します。
この他 化学合成農薬に加え、生物農薬や作物保護資材(バイオスティミュラント等)にも事業領域を拡げていきます。

製造時の工夫

化学合成農薬の製造では、多くの場合は加熱、時には加圧しての化学反応を行います。その際 効率的でエネルギー使用量が少なく、爆発などの事故リスクを回避した製造方法を選択しています。また有効成分を最終製品に製剤加工する際には、CO2排出量の少ない生産方法や、環境への影響が懸念される副資材を用いない製剤処方の確立など、目立たない部分でもサステナブルな社会の実現に貢献しています。

動物実験に関する倫理的配慮

NICHINO グループは「動物の愛護及び管理に関する法律」およびそれに関連する指針等に則り、動物実験に関する社内規程を定めています。培養細胞やコンピューターモデルを活用した技術開発や研究への取り組みにより、動物愛護にも配慮しています。

作物保護資材の例

NICHINO グループ製品である「フロストバスター」は、缶コーヒー製造時の副産物である「コーヒー粕」の有効活用と過冷却促進作用による作物の霜害対策という新たな提案により開発された、持続可能な循環型社会の実現に貢献する製品です。
*: 霜や氷が生成する際には、はじめに極めて小さな氷のタネ(氷核)が生成し、それが少しずつ大きな塊になっていく過程をたどります(氷結晶の形成・成長)。この氷核からの氷結晶の形成を妨げ、氷点下においても水を凍らせない作用が過冷却促進作用です。

また「クロスバリュー」は、デンマークの微生物取扱い老舗であるChr. Hansen社から導入したBacillus属細菌二種混合水和剤です。作物の根部で増殖し、リン酸吸収をサポートする他、バイオフィルムを形成することで、水分吸収を助け環境ストレスを軽減します。作物の根部の健全性を保ち、収量および品質の安定化が期待できる作物保護資材です。

スマート農業への貢献

NICHINO グループでは最先端技術を駆使し、農業が抱える課題を解決する「スマート農業」への取り組みを加速しています。活動の一環として「レイミーのAI病害虫雑草診断」の普及を農薬メーカー数社と共同で進めています。2024年6月時点での診断可能作物数は25作物で、アジアを中心とした海外各国でも展開中です。引き続き診断作物の拡大、多言語等の機能強化、海外への展開強化に取り組んでいきます。またグループ会社のアグリマートでは、衛生害虫管理サポート「レイミーのAI害虫同定計数システム」のサービスも開始しています。

医薬・動物薬への展開

当社の医薬・動物薬事業では、コア事業である農薬開発の技術を応用し、外用抗真菌剤(水虫薬)、動物用のノミ・ダニ防除剤などに展開、開発しました。水虫の原因菌である白癬菌に卓効な有効成分ラノコナゾール、ルリコナゾールも発明し、現在、両化合物ともに水虫の治療に用いられています。またADEKA社との共同研究による新規動物薬創出も目指します。

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